経済理論学会ニュース No.4 (2001年7月)

学会活動の活性化をめざして提案します………大谷禎之介
機関誌刊行・編集体制の抜本的改革を提案します…幹事会
会務報告…………………………………………………幹事会
会計報告〔web版では省略〕
部会報告
北海道部会…………………………………………森下宏美
関東部会……………………………………………前畑憲子
東海部会…………岩下有司・安藤実・金井雄一・居城弘
関西部会……………………大西広・松井暁・八木紀一郎
西南部会………………………………浜島清史・福留久大
日本学術会議報告……………………………………鶴田満彦
エッセイ……………………………………………井村喜代子
会員著作リスト…………………………………………事務局
お知らせ…………………………………………………事務局

学会活動の活性化をめざして提案します

  ――機関誌季刊化とそのための会費改定――

      代表幹事 大谷禎之介

 幹事会は,第50回大会(岐阜経済大学)のさいの会員総会に,学会活動活性化のための二大改革を提案します。

 第1は,年1回刊行の『経済理論学会年報』を,年4回刊の『季刊・経済理論』(仮題)に発展させる,という提案です。

 第2は,それに伴い,これまでの年会費6000円(院生4500円)を改訂して,一般会員は10,000円,院生および70歳以上の会員はその半額,80歳以上の会員は会費免除とする,という提案です。

 幹事会は,これらの提案がきわめてドラスティックなものであること,とくに会費改定によって中堅会員に負担増をお願いしなければならないこと,したがって提案理由を十分にご説明して,会員の皆さんの十分なご了解を得なければならないことを強く自覚しています。

 幹事会からの訴えと提案の詳細とは別紙でご覧いただきますので,ここでは以下,幹事会がこの提案を決断するにいたった経過をご紹介し,これが長期にわたる慎重な検討を経て得られた結果であることについて皆さんのご理解をお願いすることにいたします。

          * * *

 [1998年度] 第3回幹事会(1998年10月4日)での決定にもとづいて行なわれた,「本会の現状認識,将来展望,改革課題」についての幹事対象のアンケート調査の結果を踏まえて,第7回幹事会(1999年1月30日)は,「21世紀記念行事,国際交流,年報改革,入会案内の作成,会費の値上げの是非等」について検討することを決定しました。

 [1999年度] 第2回幹事会(1999年6月19日)は,幹事アンケートにもとづく改革論議の一環として「入会案内の作成および国際学術交流のための委員会の設置」について討論した結果,幹事会のなかに作業部会を設けて,『年報』の複数刊行化の問題を含む改革について検討し,それを幹事会に反映させることにしました。作業部会は第3?5回幹事会(10月15?17日)に報告を提出しました。そのなかには,「年報複数化」について,「現在年1回発行になっている年報を年2回発行に変える。1回は大会共通論題+投稿論文・書評,もう1回は編集委員会企画論文+投稿論文・書評とする。それによってジャーナル的性格を強め,レフェリー付き学会誌として投稿のインセンティヴを高める。また若い研究者に論文のリライト・再提出の機会をつくる。……年2回発行に伴って編集委員会も複数化する。幹事以外の編集委員を増やし,組織運営上も編集委員会の幹事会からの独立性を強める」,という提案が含まれていました。他の議題が多かったために,この提案の本格的な検討は行なわれず,第7回幹事会(2000年1月29日)は,「いくつかの検討課題のうち,とりあえず入会案内について議論し,作業部会で検討した案文に一部修正を加えて承認し,入会申込書と合わせて,第48回大会の報告募集の発送物にふくめて会員に送ることを確認した」だけで終わりました。

 [2000年度] 毎回の幹事会の議題に,アンケート結果とそれを踏まえた作業部会の結論をもとに「年報の複数化」を検討することが掲げられていましたが,事務局体制の改革をめぐる議論に大きく時間をとられて,結局,審議にはいることができないまま,第7回幹事会(2001年2月3日)は,この問題については「討議未了とし,次期幹事会には引き継がない」ことを確認して終わりました。しかしこの年度には,会費徴収事務の外部委託化を含む事務局体制の変更という大きな改革が決定されました。

 [2001年度] 第2回幹事会(2001年6月23日)は,年報第38集編集委員会の求めに応じて,第39集編集委員会への引継事項のなかに「発行回数の複数化」を含めることを了承しました。第3・4・5回幹事会(10月19・20・21日)は,第39集編集委員会の検討結果を承けて,「『年報』の在り方を全面的に考え直すこと」を決定し,編集委員会に,できるだけ早い時期に,「会費改定も考慮しつつ発行回数をどうするか,編集体制,内容・性格付け,など」についての改革の具体案を,事務局とともにまとめることを求めました。第6回幹事会(12月22日)で紹介された編集委員会の「中間報告」は,「(1)複数回発行を考える。目標は活性化である。その場合,2回刊だと現在とあまり変わりないので,4回刊を考えた方がよい。(2)そのためには改革提案を来年度の総会で承認してもらう必要がある。したがってあまり時間がない。(3)直近で2003年刊行を考えた場合,費用は4回刊で約600万円(現在の約150万円×4回)となり,会員一人あたり約4000円の値上げとなる」,という3点を「基本的方向」として挙げました。これをめぐって,さまざまな論点について活発な議論が交わされ,次回以降の幹事会で改革案を具体化することになりました。同時にこの幹事会は,会費の値上げや減免の新設を含む会則改正などについて,アンケートによって幹事の意見を聞いたのちに,事務局から具体案を提案することを決めました。第7回幹事会(2002年2月9日)は,編集委員会からの提案と補足説明とを受けてふたたび活発な議論を行なったうえで,2002年度大会で「年4回刊行,それに伴う会費の値上げ」を提案する,という基本方針を決定しました。会費の改定については,「年4回刊となれば値上げは不可避だが,検討すべき問題点が多いので,編集委員会および事務局が桜井書店に相談した結果を踏まえて,値上げ幅や減免方法などについて新年度に検討する」ということになり,また事務局が,幹事を対象として行なわれたアンケート結果を踏まえて,会員条項の改正について再提案を行なうことを承認しました。

 [2002年度] 第1回幹事会(2002年4月20日)は,編集委員会からの提案を原案通り承認しました。また,季刊化の場合の財政についての具体的な見通しも提出され,会費改定が避けられないことも最終的に確認されました。第2回幹事会(6月22日)は,第1回幹事会での確認にもとづいて事務局が作成した,「会員への呼びかけ」,「機関誌編集要綱」および総会に提出する「機関誌改革の提案」の3文書について検討し,出された意見を踏まえて事務局が部分的に修正を加えることを含めて,原案を承認しました。また,それと合わせて,値上げと減免の新設を含む会費改定を決定し,その具体的内容を規定した,事務局提案の「会費納入細則」を,部分的修正を加えて決定しました。

          * * *

 以上のところから,今回の二つの提案が,2001年度に発足した現幹事会とそのもとでの年報編集委員会および事務局が,1998~2000年度幹事会での問題提起とそこでの度重なる検討の努力とを受けて,少なからぬ時間とエネルギーを費やした慎重な審議を行なったうえでようやくまとめあげたものであることをご理解いただきたいと思います。

 今回の改革の機会をつかむか逃すかで,経済理論学会の今後の道程が大きく異なることになるかもしれません。

   今日だめなことは明日もだめ,
   一日たりとてむだにはすまい。
   これならできるということは,
   勇んで即座にたぶさをつかめ。
   かみなり落ちても手ばなすな,
   ことは運ぶとしたもんだから。
     (ゲーテ『ファウスト』) 

 経済理論学会の存在意義の大きさと,にもかかわらずこの学会がいま置かれている状況の厳しさとをご賢察くださり,幹事会での長期かつ慎重な検討を経た今回の改革案をご支持くださいますよう,会員の皆さまに心から訴えます。

 なお,新しい機関誌のタイトルについては,幹事会でもいくつかの案が出されましたが,とりあえずは『季刊・経済理論』を仮題として掲げておき,会員の皆さまからも名案をお寄せいただいたうえで最終的に決定することになっております。幹事を通じて,あるいは事務局に直接に,インパクトのあるタイトルをご提案ください。

機関誌刊行・編集体制の抜本的改革を提案します

  ――学会活動の活性化をめざして――

    経済理論学会幹事会

1. 若手研究者の増加による学会活動活性化のきざし

 本学会は,今年度,6月末までに20名の新会員を迎えました。退会会員の数をはるかに上回る入会者数です。

 このところ本学会の会員構成の高年齢化が進んできました。その結果,一時期1100名を超えていた会員数は数年前に1000名を割り込み,その後も漸次的に減少してきていました。

 この傾向は,社会全体の高齢化を反映している側面もありますが,それ以上に,この数十年間の社会情勢の変化のなかでPolitical Economyを専攻する院生や若手研究者の人数が相対的に減少してきたことを反映しています。

 したがって本学会には,大きく見れば,世界とわが国とにおけるpolitical economy研究の権威と比重とを高めることによって,本学会を取り巻く環境を変革していくことが求められていると言うべきでしょうが,それに向けて本学会が当面なによりもまず取り組まなければならないのは,本学会自身の活動を活性化させ,それによって,若手研究者を中心に会員を増加させていくことでありましょう。

 その意味で,入会者数の増加による会員増は,本学会の活動活性化のぎざしとも見ることができるうれしいニュースでした。

2. 活動活性化のカギとしての機関誌改革

 この傾向を今年かぎりのものとせず,確実に持続するものとするためには,なんとしても,現在の学会活動を飛躍的に増強する必要があります。

 若手研究者を中心にPolitical Economy研究者層から多くの入会者を獲得して学会活動の次代の担い手を育てていくためには,なによりもまず本学会が,まだ入会していない研究者たちに入会に値する魅力的なものとして認知されなければなりません。

 その点で最も重要であるのは,言うまでもなく,年1回の大会での報告および討論に示されるはずの会員の研究活動の活発化ですが,しかし大会そのものは学会の外部からそのまま見えるものではありません。大会での報告・討論を含む学会活動の姿が本学会の外部の方々に見えるのは,会員による口伝えによるprもさることながら,決定的には,学会機関誌という窓を通してです。

 ここに学会機関誌の決定的な重要性があります。

 38集を数える『経済理論学会年報』はこれまで,レフェリー制の採用を含むいくたびかの改革を行ないながら,学会の窓として,またpolitical economyの定期刊行物として,日本の経済学界のなかで重要な役割を果たしてきましたし,投稿される論文も『年報』として刊行できるだけの数は確保してきました。

 けれども,これまでの『年報』には年1回という刊行形態からくる明らかな限界がありました。第1に,大会関係の論文との併載のために投稿論文の採用数が制限されており,第2に,定期刊行物としての認知を受けにくいために学界での評価と注目度には自ずから限度があり,第3に,年1回の特定の時期にしか投稿できず,第4に,『年報』という性格から投稿から刊行までにかなりの時間を要する,などの事情が,会員の投稿意欲を殺いできました。また他方で,大会についての報告の紙数も制限されざるをえず,分科会の様子も伝えることができなくなってきていました。

 文部科学省は,近年ますます大学紀要掲載論文を低く評価し,レフェリー制をもつ雑誌の掲載論文だけを業績として評価する傾向を強めています。その是非はともかくとして,こうした動きは,レフェリー制による本学会『年報』の役割を高めているはずですが,これまでのところ,『年報』は論文発表の機会を求めている若手研究者の要求に十分に答えることができず,このことがまた若手研究者による投稿を質量ともに高めることを妨げてきています。

 こうして,いま,若手研究者が果たす役割の比重を増大させ,大会での報告や討論の質的向上とを含む本学会の活動を大きく活性化させるために,機関誌を年1回刊という制限から解き放し,それによってはじめて可能となるさまざまの改革を推し進めることが本学会の切実な課題となっています。

3. 機関誌改革を困難にしてきたもの

 これまで,会員のあいだでも幹事会でも,機関誌改革の必要はしばしば議論されてきました。しかし,なかなか具体的な改革の方向は見えてきませんでした。その理由は,財政問題と編集体制の強化のむずかしさとにあります。

 年複数刊化は機関誌作成費の大幅な増大を必要とします。本学会の現在の会費収入の枠内では対応のしようがありません。年複数刊に踏み切るには,会費の値上げによる収入の増加が不可避です。

 また,各号を短期間に編集を終えて刊行できるようにするためには,編集委員会を大幅に強化し,レフェリーの数も大きく増やさなければなりません。年1回刊のもとでも編集委員会とレフェリーの負担は少なからぬものであったのに,年複数刊になったらどういうことになるだろうか,という不安は幹事の多くが経験的に感じてきたことでした。

 そのために,これまで幹事会は,なかなか機関誌改革の本格的な検討に踏み切ることができないできたのでした。

4. 改革の検討と改革案の作成

 幹事会は,学会活動を維持し拡大するために残されている時間は多くないという認識のもとに,若返りと活性化のカギは機関誌改革にあると判断し,2001年度第2回幹事会で年報第39集編集委員会に,第38集編集委員会からの申し送り事項を引き継いで機関誌改革を抜本的に検討して,改革の具体案を作成することを委託しました。

 第38集編集委員会は,現行体制の問題点を多角的に検討して,学会活動を活性化させるためには刊行形態を年複数刊,それもできるかぎり年4回刊に変更するとともに,編集体制を大幅に強化することが必要だ,という結論を出し,これを改革の提案にまとめて2001年度第7回幹事会に報告しました。

 幹事会は編集委員会からの提案を検討した結果,原則的に編集委員会の判断を適切なものと判断し,2002年度第1回幹事会で,若干の修正を加えたうえで編集委員会の提案を了承しました。

 すでに述べたように,年複数刊化は会費の値上げによる収入の増大を伴わざるをえません。機関誌改革としては編集委員会の提案の実施が望ましいとしても,会費の値上げができるのかどうか,また値上げに踏み切るべきかどうかについては,機関誌改革とは別の視点から慎重な検討が必要であることは言うまでもありません。2002年度第2回幹事会は,会費の値上げについて慎重に審議を行ないました。その結果,会費値上げによる会員の負担増は,機関誌改革による学会活動の活性化によって償われうるであろうし,値上げによる一時的な会員数の減少も長期的には取り戻すことが可能であろう,という最終的な判断に達し,機関誌改革と会費改訂とをセットにして今年度の会員総会に提案することに踏み切りました。

5. 提案の概要

 これまで『経済理論学会年報』として年1回刊行されてきた本会の機関誌を年4回刊行に変更し,新たな誌名を『季刊・経済理論』(仮題)とします。年4回のうち1回は大会特集号とし,他の3回は投稿論文を中心に編集します。編集委員会依頼の企画論文および書評欄はこれまでどおり維持します。新たに会員外からの投稿も受け入れることとし,編集委員会の組織を大幅に変更,拡充するとともに,各編集委員の分担はできるだけ軽減するようにします。また,投稿論文のレフェリー審査の基準を明確にします。

 以上の詳細は,「機関誌編集要綱」および「論文・書評投稿規定」に別途記載します。

6. 改革にご理解,ご協力を

 私たちに残されている時間はそれほど多くはなく,改革の機会も今後たびたびもてるものとは思われません。会費改訂を前提とする機関誌改革の必要をご理解くださり,このたびの改革のチャンスを生かせるように,会員の皆様のご理解と積極的なご協力とをお願いいたします。

会務報告

i 会員総会

 2001年度の会員総会は,駒沢大学経済学部で開催された。

 開会に先立ち,西野・半田両氏を議長として提案され,了承された。

 ・会務報告:大谷

 ・『年報』編集委員会報告:大石・米田

 ・部会活動報告:唐渡,前畑,塚本,八木,福留

 ・2000年度決算報告:海野

      監査報告:近藤

 ・2001年度決算予想・2002年度予算:原

 ・国際交流委員会報告:柴垣

 ・日本学術会議報告:鶴田

 ・日本経済学会連合報告:小幡

ii 『年報』

(1)『年報』第38集は2001年9月25日に発行された。発行部数1430部,うち会員配布分および保管分は1030部(発送985部),青木書店買い上げ分は400部(定価2800円,消費税を除く)。

(2)『年報』第39集の編集委員は次の7名が選任された(敬称略):米田康彦(委員長),長島誠一,小幡道昭(事務局),佐藤真人,小松善雄,八木紀一郎,野口真

iii 幹事会 

 2001年度幹事会は7回開催された。

(1)幹事会の体制について

(2)事務局体制について

 以上2点は,後掲の役員リスト参照。

 幹事会の主たる議題は次の通り。

[第1回幹事会/4月14日]

 議題 

  1. 代表幹事選挙の結果について(選挙管理委員会)

  2. 幹事の補充と役割分担

  3. 会計監事2名の委嘱

  4. 会費徴収事務の外部委託について

  5. 2000年度収支決算報告について

  6. 2001年度経済理論学会第49回大会のプログラムについて 

  7. 『年報』について 

  8. 新入会員の承認

[第2回幹事会/6月23日]

 議題

  1. 2001年度経済理論学会第49回大会のプログラムについて 

  2. 科研費審査委員の推薦について

  3. 経済学会連合の国際会議補助について

  4. 経済理論学会の国際交流の強化について

  5. 学会ホームページおよびmailing-listについて

  6. 会則の会員条項の改正と「会員資格細則」の制定の提案

  7. 『年報』について 

  8. 新入会員/退会会員の承認

[第3・4・5回 10月19/20日]

 議題

  1. 第49回大会について

  2. 第50回大会会場校について

  3. 第50回大会会場校担当幹事選出について

  4. mailing-list・home pageについて

  5. 幹事辞任の申し出について

  6. 会則の会員条項の改正と「会員資格細則」の制定の提案について

  7. 『年報』について 

  8. 新入会員/退会会員の承認について

[第6回/12月22日]

 議題

  1. 第49回大会の総括

  2. 次年度第50回大会の日程について

  3. 次年度大会共通論題について

  4. 『年報』第39集の進行状況について

  5. 会則会員条項改正および「会員資格細則」制定の提案の取扱いについて

  6. 幹事欠員の補充について

  7. 『年報』改革に関する年報編集委員会の提案について

  8. 国際交流に関する国際交流委員会の提案について

  9. 経済学会連合評議員の選出

  10. 新入会員の承認

[第7回/2002年2月9日]

 議題

  1. 2002年度大会共通論題について(継続)

  2. 年報第40集の進行状況

  3. 『年報』編集・発行体制について(継続)

  4. 会費改定について

  5. 会則の会員条項の改正について

  6. 新入会員の承認

  7. 会費長期滞納にたいする対応について

iv 2001年度役員

(任期:2001年4月1日~2004年3月31日)(50音順)

  一井 昭(中央大学)

  伊藤 誠(國學院大学)

  今宮謙二(中央大学名誉教授)

  植村高久(山口大学)

  大石雄爾(駒沢大学)

  大谷禎之介(法政大学)代表幹事

  大西 広(京都大学)

  岡本英男(東京経済大学)

  小幡道昭(東京大学)

  河村哲二(武蔵大学)

  唐渡興宣(北海道大学)

  北原 勇(慶応大学名誉教授)

  小西一雄(立教大学)

  柴垣和夫(武蔵大学)

  菅原陽心(新潟大学)

  関根猪一郎(高知短期大学)

  鶴田満彦(中央大学)

  中谷 武(神戸大学)

  長島誠一(東京経済大学)

  西野 勉(高知大学)

  野口 真(専修大学)

  芳賀健一(富山大学)

  半田正樹(東北学院大学)

  福留久大(九州大学)

  前畑憲子(立教大学)

  増田寿男(法政大学)

  八木紀一郎(京都大学)

  山口重克(国士舘大学)

  米田康彦(中央大学)

  重田澄男(岐阜経済大学)*

  高橋 勉(岐阜経済大学)*

  佐藤良一(法政大学)**

  原 伸子(法政大学)**

  *は大会会場校担当幹事

  **は本部事務局担当幹事

v 2002年度第50回大会

 2002年10月19日(土)・20日(日)

 共通論題「日本資本主義の混迷を問う」

 会場:岐阜経済大学

 詳しくは「大会プログラム」を参照。

vi 会員の動向

 2001年度における新入会者13名,退会者29名で,16名の減少である。2002年3月末の会員数は962名である。

[会計報告]〔web版では省略〕 

部会報告 

○北海道部会○

□第1回研究報告会

 日時:2001年10月13日(土)13:00~17:30

 場所:北海学園大学

 参加者:11名

報告1 唐渡 興宣(北海道大学)

 「マルクス所有論の基本構成」

報告2 平石 修 (札幌学院大学名誉教授)

 「差額地代第1形態と一般利潤率」

[報告要旨1]

 唐渡興宣「マルクス所有論の基本構成」

 本報告は経済理論学会(2001年)の準備報告である。報告は,(1)領有=取得と所有の区別(2)労働過程を支配し総合する包摂的主体としての労働(3)労働における因果性の転倒と私的所有(4)分業と私的所有,の4章からなる。

 まず,マルクスは領有=取得と所有の区別を「資本制的生産に先行する諸形態」(『1857-1858年の経済学草稿』)において展開している。個人が労働の自然的条件を所与として臨み,個人が自然に従属,自然的条件に包摂されているかぎりでは,個人が自然的条件に自分のものとして関わる関わり方は「単純な領有=取得」の関係であって,そこからは所有は発生しない。労働の自然的前提が労働の生産物に転化され,自然的条件が社会的関係に従属し,包摂されるという段階になって初めて所有が歴史的に生成してくる。社会関係が自然的前提を従属させ,包摂するその仕方の相違に応じて所有の本源的諸形態が生み出されてくる。領有=取得の過程における包摂的主体という概念こそが所有論展開の基軸的意義をなすものである。本報告は包摂的主体の展開を通じて,私的所有,資本主義的私的所有を理論的に解明し,所有論の基本的構成を展開することを試みたものである。

[報告要旨2]

 平石修「差額地代第1形態と一般利潤率」

 マルクスは,差額地代の分析にあたって,工業部門,農業部門での商品の生産価格の成立を前提するとし,一般利潤率は工業部門の利潤率によって規定されるとする。マルクスの農業部門の導入は,資本に対する土地所有による制約と関係して,ここでは工業部門の価値利潤率を基礎として農業部門の価値利潤率を考察する,また部門間に共通の一般利潤率を考察するということのはずである。資本間の競争の帰結で,両部門の商品の生産価格の成立,部門間に共通の一般利潤率の成立,それとともに農業部門での差額地代の成立は,資本による,いずれの部門にも固定されぬ両部門の対等の処理によっている。だがマルクスは事実上,一般利潤率の基礎が工業部門の価値利潤率にあるということを,一般利潤率が工業部門の価値利潤率によって規定されるということに置き換えている。マルクスは,その一般利潤率の規定を,農業部門での資本投下の下降序列で,この部門の生産物の単位価値が変化しそのために両部門の投下資本価値が変化して一般利潤率が変化するとするそれに続く文脈で述べており,その限りでは資本による両部門の対等の処理による一般利潤率の変化に対応し得るものである。だがマルクスはここで差額地代の数値例を提示しているが,農業部門のみで,また一般利潤率一定で作成している。したがって,資本による両部門の対等の処理による一般利潤率の変化を基本的には捨象しており,当面の文脈上の位置はその捨象に対応している。それは,部門間の投下資本価値の関係の変化による一般利潤率の変化を基本的には問わず,両部門の商品の生産価格の成立の前提をたんなる前提として固定する,ということである。農業部門の資本投下の過程で,一般には部門間の資本の価値関係が変化するために生産価格関係も変化して,農業部門の資本投下の帰結としての両部門の資本の価値関係,生産価格関係との対応が無理となる。その前提の固定は,差額地代の基礎の解明としてであれば一定の役割を果たし得るのであるが,そこにのみとどめるべきものではない。マルクスが生産価格論で行っている方法を,生産物のみではなく投下資本とあわせその価値変化を含めて改訂してそれを差額地代論に適用するという,本来の方法が要請されるのである。

□第2回研究報告会

 日時:2001年12月22日(土)14:00~17:30

 場所:札幌大学

 参加者:13名

報告1 平野研(北海道大学・院)

 「冷戦体制後の低開発問題」

報告2 萬谷 迪(札幌大学)

 「20世紀と南北問題」

[報告要旨1]

 平野 研「冷戦体制後の低開発問題」

 冷戦体制崩壊後,低開発諸地域における世界資本主義体制の矛盾の現われは新たな局面を迎えた。それにともない開発政策も新たな局面を迎えた。imfの処方箋は相変わらずの新古典派的開発政策に基づくコンディショナリティの強要であったが,対して世銀は,危機の原因を急速な市場化政策に求め,開発哲学のソフト化を目指し,「包括的開発フレームcdf」路線をとることを決めた。imfと世銀との開発政策における方針の相違を考察の端緒とし,新古典派的開発政策に対する批判的動きと,新たな開発論の潮流の方向性を整理した。

新たな開発論の潮流として,「日本の開発経済論」「スティグリッツ理論」「政治経済的アプローチ」について紹介を行った。その上で,それらと「生産関係」との関連性を考察する。いずれの理論にしても,国家や官僚制を通じて,低開発地域内に世界資本主義体制に対応できる,人間同士の「結合力」を作り出す方策の試みである。画一的に自由競争を求めるそれまでの議論とは明確に異なっている。しかしこれらの理論は,生産様式と「結合力」の関係性においてではなく,政府,制度,あるいは法律といった関係性そのものではなく,関係性の中から出てきた構造・制度についての処方箋を検討している,という限界を有する。

資本主義的生産様式における「結合力」は資本賃労働関係に規定されており,世界資本主義体制下では資本賃労働関係に基づく「結合力」が支配的である。しかしながら資本賃労働関係が世界資本主義体制を専一化しているわけではない。低開発諸地域内における「結合力」は必ずしも資本賃労働関係に規定されるのもではなく,そこに特徴的な「結合力」が存在し,資本主義によって利用されてきた。このような視点から,今後の研究の課題として,資本賃労働関係の分析を従来のような工業化偏重ではなく,工業農業にかかわらず全ての分野において「結合力」の分析を行う必要があり,そのための新たな分析指標が重要となる。

 このような報告に対し,参加者から多くの質問や意見が出された。最も多くの意見が出されたのが「結合力」について概念規定があいまいで不明瞭であるという点であった。この点については,今後80年代以降の低開発諸国の生産関係の変化を分析していく中で明らかにしていきたいと考えている。

[報告要旨2]

 萬谷 迪「20世紀と南北問題」

 資本主義世界経済の歴史的形成,発展は,工業化された「北」の地域と低開発ないし発展途上の「南」の地域とのインバランスを極度に拡大させていく傾向をもつものである。南北問題とは,この世界経済構造が,20世紀中葉以降,世界政治上の大問題として登場するまでになったものであるが,その後の世界経済の歴史的展開につれて,問題の出現形態も大きく展開してきている。

(i)1930年代の「植民地問題」の展開を歴史的前提として1950年代末に世界史に登場したばかりの「南北問題」の歴史的特徴は,経済的には,共に国家的開発により推進された(a)先進国の高度成長と(b)途上国の経済開発計画との蓄積様式の間に巨大なギャップがあることによるものであり,世界政治的には,この両面の国家政策上の相互調整問題として現象したのである。それは主に,(c)南北協同の各種「開発援助」(d)先進国連合による「開発援助資金」の供与と規制,(e)国連を中心とした「南北交渉」の形で展開したものであるが,世界政治上では団結した南の要求がクローズアップされた。しかしこの局面での南北両面の矛盾は,そもそもこの双方の新体制が共に,国家的開発による市場関係の(相互に関連しあった)内部的拡大を追求することをその存立の基盤とする限り,相互間の巨大なインバランスを何らかの方向で是正(=right relation)することが必要であったものであり,いわばブルジョア的な国家間の特殊な対立,妥協の問題であった。

(ii)しかし70年代の先進国高度成長体制の崩壊=構造的不況への転化により,南も北も地域的,重層的に大きく再編成されてきたことに対応して,南北問題も,直接の社会経済過程での激変を展開している。(1)「北」中心の資本と国家との世界的展開による「南」地域全体への圧倒的規制,支配が進行し,(2)それに対応して不均等に開発,発展された「南」の最下層では,「自然」と「人間生存の基盤」の荒廃から捲き起こる深刻で多様な問題(「環境+人口+飢餓」問題,人種,民族紛争,など)が引き起こされてきているとともに,(3)この矛盾の先進地域への「はね返り」(寄生化,空洞化,環境問題,移民(難民)問題,それにテロ問題など)が広範に展開されてきている。かくして南北問題は,現代世界政治にその「最終的解決」を迫りつつある。

□第3回研究報告会

 日時:2002年6月29日(土)14:00~17:30

 場所:北海学園大学

 参加者:10名

報告1:宮田 和保(北海道教育大学)

「いまマルクス経済学に問われているもの」

報告2:河西 勝(北海学園大学)

「コーポレート・ガバナンスの起源と展望,そしてマルクス経済学の方向転換」

[報告要旨1]

 宮田和保「いまマルクス経済学に問われているもの」

 現局面の資本主義社会を評価するさいに,現在進行している「市場主義」をどのように位置付けるべきかがひとつの焦点になっている。報告は,この点に絞りふたつの潮流を取り上げてみた。その第一の潮流は,「市場原理主義」は「共同性」を解体し,諸個人をアトム化し,労働者を競争原理のなかに陥れ,貧富の差をもたらすものだとして,これに対抗して「反競争」「反市場主義」の理念のもと「新福祉国家」を主張する。第二の潮流は,「市場原理主義」を歴史的な通過点として,その肯定的な側面を認めることから始める。すなわち,「日本型企業社会」に代表されるような「年功序列賃金」「終身雇用」制度の急速な瓦解をもたらし,企業による労働者の一元的な包摂関係に―― したがって企業間競争が労働者間競争に転化される―― ひびが入りはじめ,このことにより,労働者が企業からの独立のきっかけを得ることになるだろうとして,つぎの時代変革のための肯定的な側面を把握する。

 報告者は,第二の潮流に賛同しながらも,「市場原理」が提起している事柄を理論的によ り掘り下げるべきだとする。詳論する余裕がないため,その課題だけを羅列しておこう。第一に,「競争」と「経済法則」との関係である。前者は後者の「遂行者」であり,したがって,「競争」は,市場原理主義が主張するように全能なものではなく,また,第一の潮流が主張するような「反競争」主義の限界も明らかであろう。「競争」概念は,「経済合理主義」の本質を理解するためにも,分析すべき対象である。第二に,いわゆる「物象化」的な事態を「市場」に限定して理解するのか,それとも資本の生産・再生産過程にまで及ぶものとして理解するのか,という問題である。前者の理解であれば,「物象化」が「反競争主義」「反市場主義」と短絡的に結び付くことになるが,後者の理解であれば,「市場」の枠を超えた視野が要求される。第三に,ブルジョア社会としての市民社会と国家の関係である。これは,同時に旧ソビエトにおける国家による市民社会の吸収という事態もあって,理論的に掘り下げるべき課題である。マルクスは,市民社会の矛盾は国家を媒介にして一定の解決運動が与えられると理解したのであって,その矛盾を「国家」が引き受けるというような「国家」主義的な,またはケインズ主義的な立場ではなかった。このことは「新福祉国家」主義の評価に関わる。また,「国家教育権」の空洞化の事態を,たんに由々しき事態とみるのか,「自由権」の奪還の一契機として評価するか,の分岐点にも関連する。

[報告要旨2]

 河西 勝「コーポレート・ガバナンスの起源と展望,そしてマルクス経済学の方向転換」

 コーポレート・ガバナンスにおける市場(間接金融)ベースと銀行(直接金融)ベースとの分岐論議は,諸国における企業発展の共通性(収斂)――一次大戦後の「経営と所有の分離」(その中身は,経営者支配・資本所有の希釈化・利益の内部留保による自己金融)――を前提にする。従って,その分岐の起源は,その収斂(共通性)の始まりと同時である。

 株式会社は,個人企業と同様に,本来的に超過利潤をもたらす循環資本と利子生み固定資本とによって二元論的に構成される。前者では生産の三要素(労働力,原材料・消耗材,固定設備利用)の購入に対する支出を生産物の販売収入によって回収する循環(価値法則)がおこなわれる。後者は,固定設備所有(戦略経営者はその代理)にもとづく配当(絶対地代と差額地代)収入の資本化であり,資本所有の確立である。企業自治の確立であるこの「価値法則と資本所有」原理は,固定設備投資資金が直接(イギリス),間接・直接ミックス(アメリカ,ドイツ,日本)のいかなる形態で現実的に調達されるかは,問わない。その具体的状況は,世界と各国の資本市場における需要と供給の大きさと方向性により決定される。その分析は,発展段階論の課題になる。ところが一次大戦後,以前の配当政策をこえる自己金融の形態が一般的に見られるようになった。原因がなんであれ,それは,戦略経営者が利潤の一部を配当にまわさずに,減価償却や秘密積立金の形で現金を蓄積し固定設備投資に向けることである。つまり,自己金融化は,資本主義的原理に対する侵害である。それは戦略経営と株式所有との分離,経営者支配,株主権利の希釈化である(株式会社の自己否定)。そして企業自治の空洞化にほかならない経営者支配に対抗して,株主権回復のためにガバナンスと国家の介入が叫ばれる。かくして,外部からの設備投資資金調達に関して,イギリスとアメリカの市場ベース,日本とドイツの銀行ベース,と制度的分岐が生まれた。以上,固定資本所有を循環資本中の「生産資本」に還元し,減価償却を生産物への固定資本価値の漸次的移転・現金化からの留保(利潤からの控除ではない)とするドグマによっては,コーポレート・ガバナンスの三段階論的解明は,とうてい不可能であることが,明らかになったであろう。

          (文責 森下宏美/北海学園大学)

○関東部会○

 1)2001年11月16日(金) 14:00~16:00(「ポスト冷戦研究会」との共催)

  報告者:アンディ・オーラム氏

  テーマ:オープンソース運動の社会的インパクト

  場所:専修大学(神田校舎)

  出席者数:約40名

 2)2002年3月23日(土) 14:00~17:00

  報告者:福田泰雄(一橋大学経済学部)

  テーマ:『現代日本の分配構造』(青木書店)

  場所:立教大学

  出席者数:約30名

[報告要旨]

 福田泰雄「現代日本の分配構造」

 日本は,生活の論理ではなく,資本の論理をより優先する,企業中心社会である。本書は,分配と階級という視点から,その企業中心社会の構造分析をこころみたものである。生活抑圧の何故という問題と階級・分配問題とは,表裏一体の関係をなす。生活は,職場での労働生活と職場を離れての社会的消費からなるが,労働生活の内容は,労働条件によって規定され,他方の消費生活は,労働条件とともに,国家の行財政政策によってその基本的内容が規定される。その労働条件は,企業レベルでの分配問題に他ならず,従ってそれは労使の階級的抗争関係を通して決定され,他方国家レベルでの分配にかかわる行財政政策は,国民生活の論理と政・官・財癒着権力の論理とのやはり階級抗争関係を通して決定されるものだからである。本書は,この所得と富の分配が国際比較によっても労働側に薄く,資本の側に厚い事実を確認した上で,そうした分配決定を企業レベル,企業間関係レベル,国家レベルの三層にわたる,資本による労働管理の結果として論じる。焦点は,これら三層にわたる分配の重層的決定関係において,大手独占資本がその管理上の優位を実現する制度的根拠を解明することにある。

こうした所得と富の分配をめぐる独占資本優位の社会的労働管理システムの解明によって国家独占資本主義の基本規定が与えられることになる。成長促進政策,資本の譲歩としての福祉政策といった,国家独占資本がその時々の状況に応じて採用する個々具体的政策をもって国家独占資本主義の本質規定とすることはできない。国家独占資本主義もまた階級社会である以上,その独占資本が国家権力を介して国民支配を実現するメカニズムにその本質規定を求めなければならない。

          (文責 前畑憲子)

○東海部会○

 今年度2001年の第1回研究会を,2001年7月14日(土),pm13:30-17:30,中京大学にて以下のように,報告者・岩下有司氏(中京大学)「財政再建不能論と国債の日銀引き受け」と安藤実氏(名古屋学院大学)「戦後日本税制」の報告の下,約15人の参加者があり,活発に討議された。以下,報告要旨である。

財政再建不能論と低利・百年国債の日銀引受け

 岩下有司(中京大学)

 ここ1~2年,財政破綻説や財政再建不能説が多く見られるようになっている。本報告では,それらは(1)いかなる意味で再建不可能と言っているのか。(2)本当に不可能なのか。(3)もし,不可能ならばどうなるのかという点を検討した上で,1つの政策を提言した。

 まず,財政危機を含めて平成不況が長期化し深刻化しているのは,1980年代後半に発生した巨大バブルの崩壊によるものである点を確認した。その上で,財政再建についての論攷を財政再建が可能とするものと再建を不可能とするものに分けて検討した。その結果,再建可能論も多くの課題を解決しなければならないこと,また,それが極めて困難なことが判明した。となると,巨額の国債は暴落が避けられない。そこで,国債の暴落のもたらす結果を分析し,結局ハイパーインフレと恐慌に行き着くことを明らかにした。

 それに続けて,98年夏のあの恐慌前夜ともいうべき時期に提唱し(読売新聞<論点>「日銀引き受け百年国債期待」,1998年9月1日),1999年の経済理論学会でも報告した低利・百年国債の日銀引き受けについて説明した。そして,この百年債こそ,財政再建の切り札であるばかりか,平成不況深刻化の根本原因である資産デフレと設備投資の流出に対して,コントロール可能なインフレと円安によって平成不況からの脱出を可能にするものであることを明らかにした。

 報告1時間に対して1時間半にわたる長時間の議論が続いた。なお,本報告は『日本の科学者』(日本科学者会議)2001年10月号に掲載されている。

政府税制調査会答申に見る税制改革の主要な流れ

 安藤 実(名古屋学院大学)

 「戦後税制を概観する」というのが報告依頼のさいの課題でしたので,税制改革の流れを税体系の観点から整理しました。

 時期区分は,均衡財政の時期(1950・60年代),赤字財政第一期(1966-80年代),赤字財政第二期(1980年代後半以降)としました。それぞれの時期を,税体系論としてどういう特徴があるか,注意しました。

総じて直接税(主として個人所得税)中心から,間接税(消費税)に重点を移して行こうとする流れがはっきりしてきたといえます。

シャウプ税制改革(1949年)と竹下税制改革(1989年)が両極として対比されるわけですが,今回の報告では両者の直接の対比ではなく,流れ,すなわち経過のなかに性格の変化を見るように心がけました。

税体系という仕組みに変化が生じるとは,ことがらが自然現象でない以上,人間の意識もかかわります。この点では,税負担公平論という租税イデオロギーに生じた変化に注意を払っております。

昨年,政府税調中期答申が消費税など大衆課税の増税を打ち出しましたが,それを支える租税イデオロギーの歴史的批判も,今回の報告の重要な部分であったと思います。

 今年度2001年の第2回研究会を,2002年1月26日(土),pm13:30-17:30,中京大学にて以下のように,報告者・金井雄一氏(名古屋大学)「金本位制とは何だったのか-イギリスの金本位放棄(1931年)を中心に」と居城弘氏(静岡大学)「ドイツ型金融システムとライヒスバンク」の報告の下,約20人の参加者があり,活発に討議された。以下,報告要旨である。

金本位制とは何だったのか

――イギリスの金本位放棄を中心に――

 金井雄一(名古屋大学)

 金本位制は正しく把握されてこなかった。そして,そのために管理通貨制や戦後資本主義の理解も歪められてきた。金本位制を捉え直す必要があると思われる。

 金本位制の教科書的説明は実態からかけ離れており,金本位制について通常言われていることの多くは「神話」にすぎないのであるが,ここではそのことを,イギリスの金本位放棄前後の事態に基づいて示したい。まず,放棄以前すなわち金本位制下においてポンド相場は市場介入によって維持されていた,という事実がある。つまり,金本位制は為替相場を安定させるものではなく,金リンクも通貨信認を守るものではなかったのである。また,金本位制は大量の金準備を保有したままで放棄された,という事実もある。つまり,本質的問題は金準備の量ではなく,為替相場の安定だったのである。

 以上のように実態に即して金本位制を把握し,たとえば,通貨信認は兌換に基づくものではないと認識していたら,ニクソン・ショック以降ドルがかえって基軸通貨性を強めるという事態にも困惑する必要はなかったのではないか。またたとえば,本質的問題は為替相場の安定にあることを認識していたら,金本位制崩壊自体を資本主義の危機と見做すこともなく,それゆえ国際収支調整の意義を軽視せず,資本主義が胚胎しつつあった新たな可能性を捉え損ねることもなかったのではないだろうか。

ドイツ型金融システムとライヒスバンク

 居城 弘(静岡大学)

商業銀行主義によるイギリスとは対照的な,兼営銀行制(ユニバーサルバンクの原型)を中心とする「ドイツ型金融システム」の構造的特質を考察し,中央銀行・ライヒスバンクの政策展開との相互の規定関係を検討し,第1次大戦前の「通貨制度の構造的危機」の背景・原因の追究を主題とする金融システム分析を課題とした。(1)兼営銀行制の成立の背景,工業化を支援する資金調達を目的とする初期の株式信用銀行の「証券・投機銀行」的性格が変化し,重工業との緊密な関係が進化する中で,正規の銀行業務・交互計算業務を基礎に,証券業務を兼営するドイツ型銀行類型が形成された。そこでの設備貸付の長期化のもたらす銀行流動性悪化が,兼営銀行にとって重大問題化し,その流動化基盤として証券市場・割引市場への大銀行の支配が強化されたことを指摘。(2)「ドイツ型金融システム」とライヒスバンク政策との内的関連については,世紀初頭以降の好況末期に,ライヒスバンクが市中から集中的請求を受け,準備率の低下と兌換性維持の困難に見舞われるという「通貨制度の構造的危機」が頻発したが,その根本的原因を究明し,金融市場でのライヒスバンクの地位と政策の有効性の弱化,兼営・ベルリン大銀行の信用拡張と銀行流動性の低下から,逼迫期にライヒスバンクに全面的に依存したこと,つまり,危機におけるライヒスバンクの政策的対応と兼営銀行制が内包した構造的特質との必然的帰結であったことを指摘した。

○関西部会○

□2001年7月7日(土)午後 京大会館 

 第1報告 碓井敏正(京都橘女子大学,非会員)

 「『ポスト戦後体制への政治経済学』(碓井・大西広編)大月書店を編集して」 

 碓井氏の報告は,『ポスト戦後体制への政治経済学』の編集について一貫した内容の書物を作る必要から執筆者集めに気を配ったこと,徹底した内部討論のために6度の合宿等を行ったことなどを明らかとしつつ,その書物の内容を次の様に要約した。

 現代日本社会を規定する企業主義,企業主義に規定された社会構造(政治制度,福祉,ジェンダー,教育問題など)の分析,批判と将来の方向性の提示,遅れた社会制度,慣習を淘汰するものとしての市場の可能性の評価(資本の文明化作用),市場の促進要因としてのグローバリゼーションの評価,旧制度の矛盾と国民国家的制約の克服,従来の左翼イデオロギーとの違い。総じて,「自由化」の流れに対してただそれを批判するのではなく,それを歴史の大局的な流れとして受け止め,その上で「痛み」をどう和らげられるかを考えるべき,という基本的な考え方に導かれている。従来の「左派」の考え方と根本的な違いがあり,討論となった。

 具体的なレベルで討論となったのは次のような点についてであった。

 -能力主義と能力原理とはどう違うのか。

 -「遅れた社会制度」という時,何と比べて「遅れた」ものと言うのか。

 -主張されている雇用の流動化を行えば失業を増やすことにならないのか。

 -国際関係がほとんど論じられていない,アメリカの対日圧力の否定的作用も見

るべきでないか。

 -「小さな政府」を主張するとは景気対策も否定するということか。

 これらの質問に対して,碓井氏および共編者の大西氏からは次のような返答が

なされた。

 -能力主義は能力原理が競争社会を媒介にして現象したものである。

 -「公正な社会」である。

 -雇用は流動化せずともゼロ成長により失業率は上昇する。雇用の流動化は失業の原因でなく結果である。

 -国際関係については執筆者に大きな意見の相違があった。しかし,アメリカの圧力だけで現在の構造変動を解けるわけではない。

 -財政の弾力的な運用を問題にしているのではなく公共事業費など構造的な高支出の解消を主張している。

          (文責:大西広)

 第2報告 松井暁(立命館大学)

 「『21世紀の経済社会を構想する』(森岡孝ニ・杉浦克己・八木紀一郎編,桜井書店)を

読んで

 「まえがきにかえて」にあるように本書は,経済理論学会に所属する研究者23人が,「経済学は二一世紀をどう構想するか」という問いに,それぞれの関心や観点から応えた論考をまとめた論文集である。したがって本書はその性格上,全体の統一性が相対的に低いはずであり,評者を仰せつかった私としては当初,本書全体についてのまとまった書評はなかなか困難な作業になるのではないかと懸念した。しかし,23編の論攷を読み進むうちに,あたかも示し合わせたかのごとくに,同じ関心が共有されていることに気づいた。

 第一は,環境問題の重視と経済成長至上主義の否定である。資本主義と社会主義を比較する際の基準が経済成長からむしろその抑制へと転換され,自然環境と共存しうる経済社会が指向されている。第二は,将来社会構想における多元性の強調である。従来のマルクス学派においては,独占資本の国有化と計画経済が共通の目標となっていた。ところが各論者によれば,国有化と計画経済は,市場経済,コミュニティ,非営利組織といった多様な経済制度を構成する一要素に過ぎないとされている。第三は,経済社会における倫理や価値規範の役割が重視されていることである。従来のマルクス学派では土台・上部構造論や法則主義的傾向のゆえに,倫理や価値規範の問題は極めて軽視されてきた。しかし本書では,自由,平等,友愛といった近代市民革命の理念が再び見直され,将来社会におけるそのあり方が検討されている。

 これら3つの特徴が相互に関連していることはいうまでもなかろう。すなわち,20世紀における体制間経済成長競争の結末,環境問題の深刻化といった経験を踏まえ,従来のマルクス経済学の弱点を克服し,われわれ自身の価値観を基礎にして21世紀の経済社会を多元的に構想しようというのが,期せずして本書全体に通底する問題意識を形成しているのである。

 討論においては,以下の論点がとりあげられた。

 -環境問題重視のわりにジェンダー問題の比重が低く,しかも女性の執筆者が少ないという指摘がなされた。

 -「階級」や「革命」といったマルクス主義的な概念がまったく消失しており,それをそのまま使わないにしてもいかに継承,発展していくのかという姿勢がないという批判もだされた。

 -評者による「多元性」という特色づけに対して参加していた執筆者の一人から,自らは多元性ではなく市民社会の普遍主義を追求しているとの異論があった。

 -同じく「成長至上主義」をめぐっては,成長至上主義の否定は効率性の否定には直接つながらないという意見があり,あるべき効率性の意味をめぐって議論が交わされた。

          (松井暁記)

□日時:2002年1月26日午後2時から5時

 会場:京大会館

 報告:

  1.瀬尾崇(京都大学大学院)

    「利潤と主体間の競争」

  2.阿部太郎(神戸大学大学院)

    「国境を越えた同情スト」

  3.大野隆(神戸大学大学院)

    「不完全競争企業と労使交渉の長期分析」 

 第1報告は,「主体の行動を明示的に理論にとりいれ資本主義経済における競争過程を明らかにする」ことを目的としていた。まずマルクスの競争観に,一般的な価値法則を貫徹させる媒介として「競争」を捉える見方と,多数資本の相互関係のなかで強制される競争という見方の2つがあるとした上で,「主体の行動に基づく競争関係」を,資本家・労働者間の「取引条件をめぐる競争」と,資本家群内部,労働者群内部の「排他的競争」とに分ける。「取引条件をめぐる競争」は,「抗争交換モデル」に「労働力の価値」の概念を入れて論じられた。

 「資本家間の排他的競争」においては,「期待利潤率」を入れて資本家の行動を説明し,また価格次元であらわれる「特別利潤」の追求活動と「相対的剰余価値」との関連を付けようとした。研究の発展方向としては,シミュレーション分析を活用したいとのこと。討論では,労使関係や労働市場解明について多くの理論があるなかで「抗争交換」モデルを採用する理由や「抗争交換」モデルの解釈について,また,ミクロの行動とマクロの状態の関連付け,シミュレーションの利用法などに関して質疑応答があった。

 第2報告は,企業活動が多国籍化するなかでの労働運動の国際的共同のあり方として「同情スト」が実現しうるか,またそれが及ぼす効果をゲーム理論を用いて分析した。結果として,(1)片方のみが同情ストをおこなう場合がナッシュ均衡になる,(2)マクシミンを追求する保守的なゲームが行われる場合は,双方が同情ストをおこなう場合が均衡になる,が得られる。また,この結果を労働運動の阻害要因の有無や各国間のそれに関わる差異の有無と結びつけて解釈するなかで現れてくる含意も論じられた。討論においては,労働側の利得の定式化の仕方,賃金と雇用の双方の動き方,需要関数のあり方,労組の意思決定のあり方方について質疑応答があった。また「利得」に還元できない連帯的な闘争のあり方について注意を喚起するコメントもあった。

 第3報告は,日本において失業率が上昇し,また欧州において高失業率が長期にわたって持続してきたことをふまえて,企業数が変化する「長期」を想定して,失業率および賃金に影響を与える要因とその効果を分析しようとするものであった。結論は,(1)短期から長期に移行する過程では実質賃金率と雇用率は順循環になる,(2)労働組合の交渉力が高ければ雇用率は高くなるが,実質賃金率には影響を与えない,(3)限界費用へのマークアップ(独占度)が小さい方が実質賃金率と雇用率は高くなる,(4)資本の機会費用が実質賃金率と雇用率に与える影響は収穫逓増局面と収穫逓減局面で逆になる,であった。討論では,収穫に関して逓増と逓減の両局面をもつs字型の生産関数の是非,企業の参入の際のユニットの想定の仕方の現実性,長期均衡による分析の意義などについて質疑応答があった。

          (文責:八木紀一郎)

○西南部会○

 2001年度第21回西南部会研究会は,6月30日(土)13時30分より山口大学経済学部(山口市吉田1677-1)で開催された。例年,7月中旬から下旬の土曜日に開催してきたが,本年は,7月に入ると山口県一円は博覧会開催で宿泊施設が満杯になるとの危惧から,6月末日の開催となった。企画・名簿整理・連絡の準備段階を関野秀明会員(下関市立大学経済学部)が担当し,当番校幹事を植村高久会員(山口大学経済学部)が務めて,約20人の参加で,報告・討論が行われた。西南部会においては,長年にわたって,40分報告,20分討論という枠組みで,報告者3人という体制で運営されてきたが,討論時間が不足して,十分に論議を深められない点が悩みである。部会開催を複数回にして,報告の少数化,討論時間の確保が課題である。2001年も,以下のような3報告体制で,実施された。

(1)浜島清史(山口大学経済学部)

 「シンガポールにおける政労使関係の変遷」

(2)徳永正二郎(九州大学大学院経済学研究院)「ドル体制と市場主義─世界市場のパラドックスについて─」

(3)福留久大(九州大学大学院経済学研究院)「新古典派の貨幣機能論─『資本論』の視点から─」

 報告の概要は,以下の通りである。

[浜島報告要旨]

 シンガポールの政労使関係は,英国型労使関係の移植の試みとそこからの脱却,国家コーポラティズムの確立,日本型労使関係の移植の試み,85年不況によるその実質的破綻とフレキシブル賃金システムへの転換,生産性運動体としての労組の位置付けというように,外国の労使関係の移植と現地適用の過程として形成ー確立ー変容に大きく分けられる。

 その過程において経済構造は,中継貿易から輸入代替型工業化(英国型労使関係移植期),輸出指向型工業化への転換(英国型労使関係から協調型労使関係への転換),産業構造の高度化(日本型労使関係の移植期),高賃金政策の破綻とサービス経済化への転換と変遷した。

 そして,シンガポールの労働運動を特徴付けているのは,生産性運動と協同組合運動の2つである。papは政権獲得以前から生産性向上に強い意欲を持ち,一貫して生産性運動に取り組んできたが,とりわけ特徴的なのは,使用者よりもむしろ労組が生産性運動に熱心に取り組んできたということである。これは経済開発の初期においては使用者がシンガポールの低賃金労働力を活用しようとして継続的な技能訓練に関心を持たなかったためであり,また労組の方はntucが政府と密接な繋がりを持っていたためと思われる。

 協同組合運動は,形成期における現地の英語教育組合公務員の倹約ローンから確立期におけるntucによる協同組合運動の開始を経て,やがてntucは協同組合に対する管理を強化し,労働組合運動が協同組合を支配するまでになった。ここに政府による労組の統御の縮図がみられる。

 ntucならびにシンガポールにおける労働運動の役割は,80年代以降,生産性運動の担い手,特に技能訓練における中心的な担い手という位置づけになっていった。そして,それは協同組合運動を担う中で,生産性運動を実践することによって,認識を実体験していくプロセスなのである。(浜島・記)

[徳永報告要旨]

 市場主義とは,経済人が私的利益を追求し,自由競争を展開する中で,「見えざる手」に導かれて社会的公益を最大化できると考える資本主義の伝統的理念の一つである。ただし,私益と公益の一致は,完全な情報と確実な未来という理論的想定の下で可能となることであって,現実の世界市場では,経済人の私的行動は社会的合目的性と対抗関係にあるがゆえに,「見えざる手」の作用は一種のパラドックスである。

 ドル体制は,ブレトンウッズ体制の金為替本位制と固定為替相場制が,1971年6月の金ドル交換停止を契機に,いわゆるスミソニアン体制のドル本位制と変動為替相場制に転化した結果,二本の対抗的主柱から構成される国際通貨金融システムとなった。一方の柱は,国際流動性ドルを軸とする主要諸国(g5あるいはg7)通貨当局の通貨金融協力によって運営される国際政治システムである。他方の柱は,それら通貨金融当局の規制を免れた,多極的で複合的な国際金融市場システムである。スミソニアン体制においては,ドルは金交換性という基本的制約から解放されて,ただ国際収支を均衡し維持するという誓約を守るかどうか,つまり国際政治におけるモラルだけが制約となった。このモラルに関わる米国政府の姿勢は,ビナイン・ネグレクト(benign neglect)政策として表現されるものだった。すなわち国際均衡の責務に「優雅な無視」を続け,国内景気浮揚のために極端な財政支出政策(不均衡政策)を推進して,国際収支の恒常的赤字,それによる国際流動性ドルの継続的供給増加を結果した。米国の外部ではドル準備が増加し,ドイツや日本などの黒字国は,輸入インフレの危険にさらされた。それを阻止するには,為替相場の切り上げに踏み切るか,流入するドルを国外のユ?ロ?市場に排出するか,二つの選択肢しか残されていなかった。こうして,一方で為替相場の乱高下が続発するとともに,73年・79年オイル・ショック(石油価格引き上げ)のような急激な価格調整を惹起した。他方で当局の諸規制から切り離されたユーロダラー市場,主要諸国のオフショア市場,ユーロカレーンシー市場が膨張を遂げた。変動相場の世界とユーロカレンシー市場は,1980年代の世界市場に,国際金融の証券化とデリバティブ化をもたらす。この投機のシステム=リスクの世界の規制無き膨張こそが,1992年の欧州,94年のメキシコ,97年のアジアとロシア,そして今なお続く日本の通貨・金融不全症の背景を成している。

 投機を市場活動の「見えざる手」とみなすドルの世界に抗して,投機活動を閉じこめるために規制と調整と統合のシステムを構築し,特定国通貨を超えた共通通貨euroユーロの世界が注目される所以である。(福留・記)

[福留報告要旨]

(1)対象としての新古典派

[1] Paul A. Samuelson and William D. Nordhaus: Economics, 13th Edition, 1989.

 11. Money and Commercial Banking.

[2] Joseph.E.Stiglitz: Economics, 1993.

 33. Money, Banking, and Credit

[3] N. G.. Mankiw: Principles of Economics, 1998.

 27. The Monetary System.

[4] Alfred Marshall: Money Credit and Commerce, 1923.

 1. functions of money.  Appendix A, Notes On The Evolution of Money.

(2)現代の新古典派の記述

 サムエルソン,スティグリッツ,マンキュウの貨幣論は,共通した二つの部分から構成される。(a)貨幣登場以前の状態として物々交換(barter)を想定し,同時に「欲求の二重の一致」(double-coincidence of wants)から物々交換の成立困難を指摘して,困難克服策として交換の媒介物(medium of exchange)たる貨幣を導入する,貨幣生成論の部分。この主軸は,商品貨幣から紙幣を経て銀行貨幣へという貨幣素材の進化を巡る副軸によって補足される。(b)「交換手段」(交換の媒介物)(medium of exchange)機能を中軸として,「計算単位」(unit of account)機能,「価値貯蔵手段」(store of value)機能の二つを付け加える形で,三種類の貨幣機能を説明する,狭義の貨幣機能論の部分。

(3)マルクス経済学的批判

 『資本論』の貨幣生成論は,第1巻第1章第3節「価値形態または交換価値」および第2章「交換過程」に見いだされる。それとの対比で見ると,現代の新古典派の貨幣論は,極めてお座なりで,脳天気に過ぎる。貨幣の生成過程について,日常生活の常識を記述するだけで,考察の形跡は全く見あたらない。第一に,歴史をみる眼が商品交換関係に限定されているため,共同体において慣習的に運営される物々交換に全く関心が及ばず,共同体関連の物々交換と私的商品所持者間の交換要求とを区別する視点に欠ける。従って第二に,一方で物々交換の存在を想定しながら他方でその困難を言い募るという論理矛盾を犯すばかりで,私的商品所持者間の交換要求行動の集積から特定の商品が貨幣として生成する過程に対して,全く考察が及ばない。そのため,貨幣と商品の対照的特質(貨幣はいつでもどこでも商品を購買しうる「直接的一般的交換可能性の形態」という強い立場にあるのに対して,商品は販売されねば無意味に終わるにも拘わらず貨幣に対して自力では販売を実現できず「命懸けの飛躍」を余儀なくされる弱い立場にある)を,サムエルソン,スティグリッツ,マンキュウは理解し得ていない。貨幣と商品の対照的特質を的確に把握できるならば,貨幣機能論において,購買手段(means of purchase)として商品を購買する機能が,まず強調されるべきである。商品と貨幣が対等の水準にあって交換される際の交換手段の機能は,購買の結果としてその量的存在が問題となるものであって,購買手段の次位に位置づけられるものである。

(4)マーシャルの学問水準

 サムエルソン,スティグリッツ,マンキュウの貨幣論は,学校で習うことを学ぶ「学習」段階に留まっている。マーシャルの貨幣論は,自らの脳漿を絞って問うことを学ぶ「学問」水準に達するものを含んでいる。貨幣生成論では,「個人間階級間の関係が慣習と権力によって大幅に規制されていた時代」つまり共同体規制の時代の物々交換と「個人の所有権が家族村落部族のそれから明瞭かつ十分に分離された時代」の「個人間の物々交換」を区別して,後者についてマルクス的価値形態論の萌芽的な議論を提示している。貨幣機能論では,現代新古典派のような三種類に整理され制度化されていない代わりに,「購買手段」機能を指摘したり,マルクス的意味での「支払手段」機能に着目する側面を有している。

スティグリッツやマンキュウは,マルクスとまでは言わないまでも,新古典派の元祖マーシャルまでは立ち帰って,貨幣論再考を試みる必要がある。(福留・記)

  日本学術会議報告 

1. 第136回総会

 (2001年10月16日?10月17日)

(1)国際情報ドキュメンテーション連盟(fid)からの脱退について

 fidは,1895年にベルギーで創設された国際的知識の記録の体系的蓄積と検索のための組織で日本学術会議は,1951年以来加盟しているが,2000年末には破産状態に陥り,事務所は閉鎖され,活動は停止しているので,fidとの連絡を担当している情報学研究連絡委員会より,同組織から脱退してはどうかという提案があり,これを承認した。

(2)「データベースに関して提案されている独自の権利(sui generis right)についての見解」

 euは,これまでの著作権に加えて,データベースへの投資者を保護するために「独自の権利」を認める制度を導入し,世界知的所有権機関(wipo)に国際条約草案を提案し,米国でも,法制化の動きがある。しかし,データベースに,著作権以外の独自の権利を認めることは,とくに学術の発展に悪影響を及ぼすおそれがあるので,独自の権利の導入には反対し,その法制化の動向には慎重な対応が必要である旨の声明を採択した。

(3)地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的機能の評価について

 2000年12月に農林水産大臣より,標記について諮問がなされたので,日本学術会議では,特別委員会を組織して検討し,答申をまとめた。答申は,i総論,ii-1農業の多面的機能,ii-2森林の多面的機能,ii-3水産業・海洋の多面的機能から構成され,そのうち総論の目次は次の通り。0はじめに,1農業・森林の多面的機能の背景と経緯,2市場の失敗としての多面的機能問題,農業・森林の多面的機能と日本農山村の地域的特性,4地域視点から見た各国の多面的機能論の動向,5多面的機能の内容と評価,6貿易・環境問題と農業・森林,7結び。総会では,余りにも農水省寄りだとの批判もあったが,基本的には了承の方向で,運営委員会に一任した。

2. 連合部会(2001.2.14)

(1)日本学術会議のあり方について

 標記については,行政改革の基本方針に従って,総合科学技術会議において審議されているが,日本学術会議でも会長・副会長・部長の10人からなる「在り方委員会」を設置して自主改革案を検討しており,その第1次案が公表された。その骨子は,(i)科学者コミュニティを代表して,アカデミー機能とカウンシル機能を果たす。(ii)会員を2500人程度とし,運営・執行メンバーを210人程度とする。(iii)会員の選出に当たっては,学協会をベースとして,現会員が新会員を選出するという意味でのco-operationを採用。

3. 第三部会(2001.3.11)

(1)日本学術会議の在り方について

 標記について,「在り方委員会」の第1次案に対して,鶴田会員は文書を付して次のような意見を述べた。(i)学協会を基盤として,アカデミック・フリーダムを基礎に独立性・中立性を保持しながら,社会に対して有益な情報発信をおこなうというコンセプトには賛成,(ii)会員を2500人に増員することには反対,(iii)210人の運営・執行メンバーと残余の会員を共約するのは無理,(iv)co-operationとボトムアップ組織は両立不可能。

4. 経済理論研究連絡委員会(2001.4.5)

(1)H.15年度科学研究補助金審査委員候補者の推薦について

 「理論経済学」第1段(定員6名),日本経済学会3,経済理論学会1,残る2は研連に所属する全学会を対象に,その都度協議して決める。今回は,比較経済体制学会1,応用地域学会1。該当学会は定員の2倍の候補者を推薦。第2段(定員2)日本経済学会1.5,経済理論学会0.5。今回は,日本経済学会と経済理論学会が2名ずつの候補者を推薦。次回は,経済理論学会は候補者を出さない。

「経済学説・経済思想」第1段(定員6)経済学史学会2,日本経済学会1,社会思想史学会1,残る1は研連に所属する全学会を対象に,その都度協議して決める。今回は,社会思想史学会に。第2段(定員2)経済学史学会1,社会思想史学会1/3,経済理論学会1/3,日本経済学会1/3。今回は社会思想史学会,次回は経済理論学会。次次回は日本経済学会。

(2)シンポジウムの開催について

 9月6日(金)13時?17時に「世代間の利害調整」というテーマで開催する。

5. 第137回総会(2001年4月17日?18日)

(1)itを活用した科学能力開発に関する国際会議実行委員会の設置の承認

(2)精神障害者との共生社会特別委員会の設置の承認

(3)日本学術会議の在り方について

 「在り方委員会」から提出された「中間まとめ(案)」について自由討議し,基本コンセプトなど合意できた部分については,対外的に公表することを承認した。

          (鶴田満彦・記)

 

  [エッセイ:経済理論学会の記録] 

  三池大災害に関する「声明」

     井村 喜代子

 1963年11月9日,三井鉱山三池三川鉱で,死者458名,一酸化炭素(co)中毒患者839名を生み出した炭塵爆発が勃発した。1960年,安保闘争とともに闘われた三池闘争が敗北に終り,1200名余が指名解雇された後,坑内での人員不足,三池労組員への差別,コスト削減のための坑内保安の不備によって災害が相次ぎ,各方面から保安整備の必要性と災害の危険が再三指摘されていた矢先の炭塵爆発であった。奇しくも同日夜,横浜~鶴見間で国鉄列車の二重衝突によって死者161名にのぼる大災害が発生した。

 その直後の11月16日~17日,経済理論学会第9回大会が九州大学で開催された。私たち(慶應義塾大学の北原勇,持丸悦朗氏と私)は,保安整備で十分阻止できるといわれていた炭塵爆発で多数の死傷者が生まれたことに深い悲しみと怒りをもち,三池に近い九州大学での大会でぜひともこの問題を取り上げ,悲しみをともにし,議論をし,なんらかの態度表明をしたいと考えた。

 ところが当時の学会幹事会は,明確な規約があったわけではないが,会員総会での緊急提案は認めず,前もって幹事会が了承した提案のみを総会の議題にすることになっていた。私たちは九州行きの列車のなかで何人かの幹事に,大会前日の幹事会で三池大災害問題を総会の議題にしてほしいと訴えたが,実現しなかった。私たちは金子ハルオ氏など他大学の若い人を誘って数名で直接幹事会に出かけ,会員総会でこの問題を是非取り上げて欲しいと申し入れた。

 しかし幹事会の雰囲気は私にとっては驚くほど冷たいものであった。私たちは,総会の前に幹事会に提案を申し出るという手順に従っていたのであるが,幹事の方々には,当時32・3歳の私たち若手が幹事会に乗り込むこと自体が,不穏当で不快なことのようであった。幹事の方々は,大会のスケジュールは動かせない,主催校に迷惑をかけると強硬であったし,大会委員長であったと記憶している高木幸二郎氏も委員長の責任上,大会の運営に支障となるので認められないと頑固であった。また政治的意見の異なる会員からなる学会で,声明を出すことはこれまでの経験から好ましくないという意見もあった。

 たしかに大会を順調に運営することも重要であるし,総会で取り上げ決議でもすれば幹事会や主催校の事務負担が増大することも明らかである。

 しかし,私たちはなによりもまず九大の近くで生じた三池大災害の犠牲者に追悼の気持を表明したかったのだし,この問題は高度成長の過程で生じた,生産効率最優先・保安軽視,組合差別,エネルギー転換への対応などを含むもので,経済学研究者が見逃すことのできない問題であると考えていた。

 幹事会と主催校代表が,三池大災害についての悲しみや怒りも,事実を究明したいという願いも問題にしないで,大会の秩序ある運営と主催校への迷惑ばかりを強調されることに,私たちは不満を強め,幹事会がどうあろうとも総会に提案することにした。総会にどのような形で提案されたのか明確な記録はないが,ともかく提案は会員の賛成を得て取り上げられ,九大経済学部正田誠一教授(労働問題専攻,故人)の現地報告を聞いたうえで,かなりの激論の後,大会声明を出すことが多数決で決定された。

 私の手元に残っている「経済理論学会第9回大会」の「声明」(1963年11月17日)は,幹事会が原案を作成したもので,「今後かかる災害を決して再び繰り返さないためにも,保安の実情と災害のよってきたるところを,社会科学的見地からも徹底的に明らかにすべきである。……特に政府ならびに企業は今回の不祥事を反省し,かかる事態の再発を防止するよう万全の処置を講ずべきである」という内容となっている。私たちには不満が残るものではあったが,東京へ帰り「声明」を他の学会や新聞社に送った。『エコノミスト』誌にその記事が掲載されたと記憶している。

 大会の翌日,九大の若手のお世話で学会のかなりの有志が三池を訪れたが,災害現場は事故のすさまじさを残し,炭住には「忌中」の家が並び,当時まだco中毒だと分らない多くの患者が病院に収容されずに家で苦しんでいた。

 私たちはかなり長い間,幹事会への反抗者・不穏分子のように言われていたが,あの行動によって三池大災害問題に関心を深めた会員が僅かでもいたら満足だと思っていたし,いま気の進まないこの記事を書こうとしたのも,三池大災害の事実を思い出す人が1人でもいることを願ってのことである。97年,三池炭鉱は閉山となったが,そのとき,あの大災害でco中毒で倒れた21歳の青年は意識がないまま病院で眠り続けて54歳になっていた。

          (慶應義塾大学名誉教授)

◆事務局から

 事務局では,学会設立や初期の活動を担われた方々に,当時の事情や出来事など,学会の歴史にかかわることどもを,機会あるごとに,書き残していただくようにしたいと考えております。今回は,代表幹事を2期務められるなど学会活動を支えてこられた井村喜代子会員に,学会史のなかでもとくに記録に残しておくべきだとお考えの一齣を書いていただきました。

会員著作リスト

・記載順序は,著者,原著者,編者,編著者等の氏名について「あいうえお」順に並べるという方式を採用しています。著者,編者等が複数の場合には,アンケートに記載された順序に従っています。なお,同一の著作が複数の会員から挙げられており,著者,編者等の記載順序が異なる場合については,申請されたもののうち,最初の記載者名が「あいうえお」順で最も先にくる 方の氏名にしたがって整理してあります。

・翻訳書は,同じ形式にそろえて記載されています。

・外国語で出版されたもので,著者名,編著者名等のなかに会員の氏名がある場合には,会員の氏名を基準に整理してあります。

[あ]

秋山喜文他編,経済社会のダイナミズム??21世紀のビジネス・アドミニストレーションを考える??,税務経理協会,2001年11月

阿部照男,日本経済にいま何が起きているのか,藤原書店,2000年3月

阿部照男他,情報の倫理――インターネット時代を生きる――,富士書店,2000年7月

池尾愛子編,Japanese Economics and Economists since 1945, Routledge,2000年3月

石井寛治他編, 金融危機と地方銀行??戦間期の分析,東京大学出版会,2001年12月

伊藤誠他,貨幣・金融の政治経済学,岩波書店,2002年1月

伊藤誠他編,Phases of Capitalist Development, Palgrave,2001年5月

伊藤誠他編,Capitalism in Evolution, Edwad Elgar,2001年5月

伊藤誠編,資本主義経済の機構と変動,御茶の水書房,2001年6月

碓井敏正他編,ポスト戦後体制への政治経済学,大月書店,2001年5月

鰺坂真編,史的唯物論の現代的課題,学習の友社,2001年8月

大友敏明,信用理論史,慶応義塾大学出版会,2001年11月

岡田進,ロシア経済図説,東洋書店,2001年7月

[か]

金田重喜編,新版現代工業経済論,創風社,2000年4月

柿本国弘,現代資本主義と国家調整――現代国家・経済政策・財政の基礎構造――,法律文化社 ,2000年12月

鎌倉孝夫,経済危機・その根源?現代金融帝国主義,新読書社,2001年7月

河村哲二他,日本式生産方式国際移転,中華人民大学出版社,2001年

北原勇他編,資本論体系10 現代資本主義,有斐閣,2001年4月

熊本学園大学産業経営研究所編,熊本県産業経済の推移と展望,日本評論社,2001年3月

小林彌六,新しい経済学と世界観,春風社,2001年5月

小林彌六,いま,聖徳太子の知恵が未曾有の国難を救う,ごま書房,2002年1月

[さ]

斎藤重雄編,現代サービス経済論,創風社,2001年4月

酒井正三郎他編,体制転換と企業経営,ミネルヴァ書房,2001年5月

坂内久他,国内農産物の先物取引,光の家協会,2001年4月

坂口明義,現代貨幣論の構造,多賀出版,2001年4月

桜井幸男, 現代イギリス経済と労働市場の変容?サッチャーからブレアへ,青木書店,2002年2月

佐々木洋他編,ロシア極東の農業改革,御茶の水書房,2000年2月 

佐々木政憲他,新・市民社会論,風行社, 2001年2月

佐々木政憲他,情報メディア論,八千代出版,2000年5月

社会主義理論学会編,21世紀社会主義への挑戦,社会評論社,2001年5月

新藤通弘,現代キューバ経済史,大村書店,2000年3月

杉原四郎,日本の経済思想史,関西大学出版会,2001年10月

鈴木和雄,労働過程論の展開,学文社,2001年11月

[た]

武井邦夫他,梅本克己,こぶし書房,2001年9月

谷川宗隆,市場構造の理論――景気循環の一つの根拠――,東京経済情報出版,2000年5月

谷口明丈,巨大企業の世紀?20世紀アメリカ資本主義の形成と企業合同,有斐閣,2002年3月

張忠任,現代中国の政府間財政関係,御茶の水書房 ,2001年12月

>Gary Dymski他編: The Japanese Bubble: Domestic and Internation, M. E. Sharpe, 2002年2月

[な]

長島誠一,戦後の日本資本主義,桜井書店,2001年10月

中野洋一,新版 軍拡と貧困の世界経済論,梓出版社,2001年12月

中村哲編,経済学批判要綱における歴史と論理,青木書店,2001年1月

鍋島直樹,ケインズとカレツキ?ポスト・ケインズ派経済学の源泉,名古屋大学出版会 2001年10月

西川芳昭他編,市民参加のまちづくり?npo・市民・自治体の取り組みから,成社,2001年10月

[は]

馬場宏二,会社という言葉,大東文化大学経済研究所研究叢書,2001年11月(非売品)

平川均他編,新・東アジア経済論,ミネルヴァ書房,2001年4月

福田泰雄,現代日本の分配構造?生活貧困化の経済理論,青木書店,2002年1月

保志恂,現代農業問題論究,御茶の水書房,2000年5月

星野彰男,アダム・スミスの経済思想――付加価値論と「見えざる手」――,関東学院大学出版会,2002年3月

[ま]

松尾匡,はるかさんとラピート君の 入門・今どきの経済?国家から市場へ,そして……,晃洋書房,2001年5月

松本朗,円高・円安とバブル経済の研究,駿河台出版社,2001年10月

丸山惠也編,ボルボの研究,つげ書房新社,2002年 

丸山惠也他,現代産業と経営分析,多賀出版,2001年

三谷進,アメリカ投資信託の形成と展開,日本評論社,2001年3月

三土修平他編,新しい教養のすすめ 経済学,昭和堂,2002年4月

武蔵大学公開講座ワーキンググループ,日本企業と世界の経済,御茶の水書房,2001年10月

本山美彦編,グローバリズムの衝撃,東洋経済,2001年4月

森岡孝二他編,21世紀の経済社会を構想する?政治経済学の視点から,桜井書店,2001年5月

[や]

安原和雄,足るを知る経済,毎日新聞社,2000年11月

矢部洋三他編,新訂 現代日本経済史年表,日本経済評論社,2001年4月

山田鋭夫他編,Japanese Capitalism in Crisis: A Regulationis, Routledge, 2000年6月

山本博文,これならわかる金融経済――グローバル時代の日本経済入門――,大月書店, 2000年10月

山本孝則,新人間環境宣言??環境創造のための社会科学入門,丸善,2001年2月

湯沢誠編,湯沢誠選集 補巻・北海道農業論.農業市場論補説,筑摩書房,2001年4月

吉田文和,The Economics of Waste and Pollution, Managem Springer Verlag, 2001年12月

吉田文和,it汚染,岩波新書,2001年7月

[わ]

渡部忠世編,日本農業への提言――文化と技術の視点から――,農山漁村文化協会,2001年9月

コーリン・クラウチノ他(山田鋭夫訳『現代の資本主義制度――グローバリズムと多様性』,ntt出版,2001年7月)

エミール・ルーディック(岡田訳『現代の産業民主主義』),日本経済評論社,2000年3月アンドレ・オルレアン(坂口・清水訳『金融の権力』),藤原書店,2001年6月

w・アダムス他(金田重喜監訳『現代アメリカ産業論』第10版),創風社,2002年4月

 

事務局からのお知らせ

□「メーリング・リスト:jspe」に登録しましたか。

 『ニュースno.3』でお知らせしたように,経済理論学会のメーリング・リストが開設されて1年になります。会員のみなさんの積極的な参加・発信が,学会活動をさらに活気のあるものにすると考えています。メーリング・リストの詳細については,学会ホームページにアクセスを!!

□ 事務局体制が変わります

 2002年10月以降,事務局長は佐藤良一から,小澤光利氏(法政大学経済学部)に変わります。原伸子氏は,今まで通り事務局に残ります。事務局長交代に伴い,事務局は,

 法政大学経済学部 小澤光利研究室気付

 phone 042-783-2596 

となります。

□ 後記
 『経済理論学会ニュースno.4』をなんとか編集できました。関係の皆様のご協力に感謝します。『ニュース』を年2回発行するという目標を果たせずに,1年ぶりの刊行になってしまいました。新しい事務局体制のもとで,年2回発行の目標を実現していただけるに違いないと,期待しています(自分の怠慢を棚に上げつつ……)。

          (佐藤良一 記)


      経済理論学会ニュース no.4

      編集発行 経済理論学会

      発行責任者 大谷禎之介

      本部事務局 

       〒193-0298 

           東京都町田市相原町4342

         法政大学経済学部佐藤良一研究室気付

           Phone: 042-783-2517 Fax: 042-783-2611(学部資料室) 

           Phone: 042-783-2538